月刊競輪WEB

検索
直送!競輪場便りfrom京王閣競輪場 河合佑弥(東京113期) 
インタビュー 2022.11.16

直送!競輪場便りfrom京王閣競輪場 河合佑弥(東京113期) 

#競輪場便り

男気先行で復活の糸口をつかんだ河合佑弥

 関東8車が決勝に進出し、S級S班・宿口陽一の今年初優勝で幕を閉じた京王閣記念。この開催で、1人の関東の若武者が浮上のキッカケをつかんだ。地元・京王閣所属の河合佑弥だ。

 113期の中でも出世が早かった河合はデビューから1年経たずにS級Vを達成。ヤングGPにも2回出場しているが、その後は謎のスランプに陥り、ここ2年は予選突破すらままならない日々が続いていた。

「良くなったと思ったら次の場所がダメ、っていうのがずっと続いて…。どうすればいいのか、ワケが分からなくなっていました」

 そんな状況で臨んだホームバンクの記念。初日は力強い先行で3着に粘り込むと、2日目も執念の前々戦で確定板入りし予選突破に成功した。そして迎えた準決勝。関東4人の番組に入った河合は「先頭で戦いたい」という強い気持ちを仲間に伝えた。年下の佐々木悠葵も自力を出すつもりだったようで話し合いはかなり長引いたが、結局佐々木が折れた形で河合―佐々木―宿口陽一―中田健太で連係。そしてレースは、河合が果敢に主導権を握り佐々木が番手まくり。これを宿口が差して中田も3着に入り関東ワンツースリーが決まった。

 なぜ地元記念の準決勝で〝発進役〟を志願したのか。開催終了後に胸の内を明かした。

「もちろん地元ですし(決勝に)乗りたい気持ちはありました。ただ、それよりも埼京ラインのS班の先輩(宿口)を決勝に乗せなければ、っていう思いが強くて。そこは佐々木君とも思いが一致したんです。あとは自分か佐々木君のどっちが前かって話だったんですけど、自分より佐々木君の方が番手の経験も多かったのでこの並びになりました」

 今回の果敢な走りで男を上げたが、もちろんこれで満足しているわけではない。

「まずは点数を戻さないと。このままじゃずっと今の立ち位置になってしまうので。調子と点数を上げていったら、その後はもっと番手の経験を積んでいけるように。戦法の幅を広げていくことも課題かなと思っています。いずれは、今回みたいな場面で自信を持って『番手を任せてください』って言えるようになりたいです」

 低迷脱出への光は確実に差し込んできている。通称〝ミスタースキンヘッド〟が煌煌と輝く日がもうすぐくるはずだ。

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

related articles