3年ぶりに帰ってきた自転車の祭典
毎年10月に栃木県宇都宮市で開催される「ジャパンカップサイクルロードレース」。この地で世界選手権が行われたことを記念して1992年に創設された、自転車ロードレースの国際大会です。アジア最高位のグレードを誇り、ツール・ド・フランスなども走る世界の名立たるチームや選手たちが参戦する同大会は、国内だけでなく海外からも注目を集めるビッグレース。毎回10万人を超える観客が宇都宮に詰めかけ、街はジャパンカップ一色に染まります。
2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされましたが、今年はついに復活。選手、関係者と外部の接触を遮断する「バブル方式」の採用や、観戦時のマスク着用、大きな声を出しての応援の自粛など感染症対策を徹底したうえで、10月14日(金)~16日(日)の3日間にわたり、29回目となるジャパンカップが開催されました。
今大会は日本ではこのジャパンカップのみが選出されている、UCI(国際自転車競技連合)が新設した世界シリーズ戦「UCIプロシリーズ」としての初開催でもあり、海外9チーム、国内7チームの計16チームが出場。
プログラムは例年通り、1日目に出場選手が一堂に会するチームプレゼンテーション、2日目に宇都宮市街地のメインストリートで行われるクリテリウム、3日目に森林公園を舞台とした総距離約144kmで争われるロードレースが行われました。
クリテリウムには「クリテリウムスペシャルチーム」の一員として、毎年競輪選手も参加していましたが(過去には脇本雄太選手、新田祐大選手、深谷知広選手、浅井康太選手などそうそうたる顔ぶれが!)、今年はスペシャルチーム自体が結成されず、残念ながら競輪選手の出場はありませんでした。
こちらもすでに恒例となった「ガールズケイリンスペシャルレース」は、今年も華やかに行われました。クリテリウムに先立って、周回コース1周で争われるレースには、地元の青木美優選手をはじめ、小林莉子選手、岩崎ゆみこ選手、吉川美穂選手、飯田風音選手、そして新人の小泉夢菜選手と河内桜雪選手の7名が出走。ガールズ1期生の小林選手がゴール前の直線勝負を制すると、迫力のもがき合いに沿道を埋め尽くす観衆から大きな拍手が送られました。
レース後、ガールズ選手たちはパレードやトークショーにも参加し、大会の盛り上げに一役買っていました。
今年の観客動員数は主催者発表で約13万人と、多くのファンが3年ぶりのジャパンカップを満喫。もちろん今回はコロナ対策での制限もあり、まったく普段通りの大会というわけにはいきませんでしたが、チームプレゼンテーションからクリテリウムにロードレース、さらには表彰式や各種イベントまでぼぼ全てをライブ配信かテレビ放送で視聴できる環境が用意され、現地に行けなくても大会を楽しめるよう最大限の尽力がされていました。
常に新たな取り組みと進化を続けるジャパンカップ。来年は30回目の開催となりますが、どんな大会になるのか今から楽しみです。
今回のジャパンカップの開催には「競輪の補助事業」が活用されています。また補助金だけでなく、競輪選手のレースやイベントへの参加、栃木支部による大会運営のサポートなど、大会への幅広い協力を通じて、より多くの方々に競輪を知っていただく機会にも繋がっています。