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10月の印象に残った選手、レースを紹介!
特集 2022.11.02

10月の印象に残った選手、レースを紹介!

#今月のベストプレイヤー

【10月のMVP】

新田祐大(福島90期)36歳 S級1班

「第31回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」を制して競輪界4代目のグランドスラマーの座に輝いた。当開催の新田は4日間、全開だった。初日特選は長い距離をしっかりと駆けて成田和也とワンツー。抜かれはしたもののロング駆けに出て状態面を把握した。

2日目のローズカップもライン4車の先頭で風を切った。準決勝は後ろにスイッチされた古性優作に先着を許したが、まくりの加速は抜群だった。2日目は「タイミングが少し…」、3日目は「仕掛けのポイントがずれた」と本人は快心ショットとはいかなかったようだが、始動の早さと連日バックを取る積極性からは調子の良さがうかがえた。

決勝は終始、内々に詰まる大ピンチに見舞われ、2センターからはイチかバチかの大勝負。先行した古性優作が内を空けると読んで、完全な見込みで最内コースを突っ込んだ。もちろん微妙なプレーには第4コーナーからは審議の旗が上がったが、結果はセーフ。

内容はともかく、これだけの偉業を成し遂げるには脚だけではなく、運と度胸も大事な要素だと実感させられる優勝だった。昨年ナショナルチームを卒業し、競輪一本に回帰したがようやく大舞台で結果を出した。これからの活躍が楽しみだ。

【レース】 

前橋競輪「第31回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」 

10月23日最終日9R 山崎賢人

当シリーズの山崎は、直前までナショナルチームの活動で世界選手権に参加しており、フランスから帰国後わずか中1日での参戦だった。タイトなスケジュールは競輪との両立を図る上では承知の上で、前検日には「大会で結果を出せなかった。その分までもって気持ちがある。ただ時差ぼけが心配。そこさえ無ければ…」と巻き返しに躍起だった。

初日特選は支線扱いながら痛快な一撃が決まり井上昌己とワンツー。疲れを微塵も感じさせないレース運びで好スタートを切った。だが、2、3日目は出切ったところをすぐさま叩かれ巻き返しができず大敗という同じようなレースを繰り返した。疲れや脚の状態というよりも、8月西武園オールスター競輪以来というレース勘の鈍り、そして後手に回ると反撃できない短走路に手を焼いたのが主な敗因だった。

そんな中、迎えた最終日は新鋭・吉田有希と三谷竜生との3分戦。当面の敵はド先行で売り出し中の吉田で、三谷は両者の動きを睨み展開待ち。前で受けた山崎は吉田を青板バックから突っ張り、隙を与えぬ2周半先行で主導権を許さなかった。中団に入った三谷が反撃に出ようとするも、ペースに入れた山崎のスピードとピッチ、そして山田英明―園田匠の綿密な仕事ぶりに手も足も出なかった。結果はラインでワンツースリーだった。

次走の11月競輪祭までは競輪を走る予定は無いが、ナショナルチームで脚を磨きに磨き、地元・九州地区のGⅠに向けて万全な状態で仕上げてくるはずだ。

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