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直送!競輪場便りfrom 弥彦競輪場 坂本英一(栃木59期)54歳
インタビュー 2022.10.05

直送!競輪場便りfrom 弥彦競輪場 坂本英一(栃木59期)54歳

#競輪場便り

骨盤骨折から見事に復帰した大ベテラン

 9月9日に行われた弥彦ミッドナイト1Rのチャレンジ予選。121期のルーキーが人気を集めた一戦だったが、勝ったのは中割り強襲を決めた54歳のベテラン坂本英一だった。

 1年前の9月――。坂本は懸命なリハビリの真っただ中だった。21年7月の伊東で落車し、骨盤骨折などの重傷を負った。しばらくの間は絶対安静。年齢的にも、復帰すら危ぶまれた。それでも「必ず復帰するんだ」という執念で徐々に回復。12月の大垣で約半年ぶりに戦列に復帰する事ができた。息子の将太郎は当時、「骨盤骨折と聞いた時は、復帰まで1年以上はかかるのかな、って思っていましたが、父の場合は幸い、軽い方だったのかもしれません」とホッとした様子で語っていた。

 22年前期は1・2班戦に在籍。着こそ振るわなかったが、半年かけて少しずつ感覚を取り戻していった。そして「点数を取らなきゃいけないし今期は大事になる」と位置付けた勝負の22年後期。121期のルーキーをはじめスピード自慢の若手がひしめくチャレンジ戦で、54歳のベテラン・坂本も随所で存在感を示している。

 それでも「ダッシュに対応できないこともあるし、追走でいっぱいになることも。みんなが強すぎて、課題はどんどん出てくるよ(苦笑)。また努力して、ひとつひとつ克服していかないとだね」と言って悔しがる。もっと強くなりたいという飽くなき探究心は、衰えるどころかどんどん増すばかり。そしてこれが何よりの原動力になっているのだろう。

「そもそも、こうやって走れているだけで奇跡だもんね」

 走れる喜びをしっかりと噛み締めながら、これからも一走一走を大事に全力で戦い抜く。

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